障害者自立支援法の改正について

時事ドットコムによれば、6月2日付けで、「民主、自民、公明各党が超党派の議員立法で提出した改正障害者自立支援法が2日午前の参院本会議で可決、成立する。」(「改正自立支援法が成立へ=障害者の負担軽減で」)と報じられている。

記事によれば、「福祉サービスを利用する障害者に1割の自己負担を求める現行の障害者自立支援法に対しては、障害者などから反発が強く、負担取り消しなどを求める集団訴訟も起こされていた。訴訟は今年4月、同法廃止などを盛り込んだ和解が成立して終結。政府はこれを受けて、2013年8月までに同法を廃止し、新たな「障がい者総合福祉法」(仮称)を制定する方針だ。このため、今回の改正は、新法制定までの暫定措置の位置付けとなる。」「改正法は、1割負担の原則を、利用者の支払い能力に応じて負担を決める「応能負担」に見直すことが柱。グループホームで仕事をしながら暮らす障害者への家賃補助なども盛り込んだ。12年4月までに完全施行される。」とのこと。一歩前進と言えるだろう。

しかしながら、国政において、障害者を障害福祉サービスの利用者とし、当該利用による受益負担を求め、すなわち、障害者に対し、必要な福祉に負担を求める仕組みを実現する法案にいたり、当該法律制定にいたった理由について、考えてみる必要があると思う。
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「衆院厚労委、障害者自立支援法改正案を可決」(「日本経済新聞」)

日本経済新聞は、「衆院厚生労働委員会は28日、障害者自立支援法改正案を民主、自民両党などの賛成多数で可決した。共産、社民両党は反対した。政府は2013年8月までに現行の障害者自立支援法を廃止し、新制度を創設する方針。法案は今国会で成立する見通し。改正案では新制度開始までの暫定措置として、福祉サービスを利用するほど負担が増える現行の「応益負担」を改め、利用者の支払い能力に応じて負担を決める「応能負担」にするとした。」(2010年5月28日付け「衆院厚労委、障害者自立支援法改正案を可決」)と報じている。要注目。

  • 「障害者の当事者も参加する政府の「障がい者制度改革推進会議」」について

    2010年5月25日、asahi.com(朝日新聞社)が報じたところによれば、「障害者の当事者も参加する政府の「障がい者制度改革推進会議」は24日、制度改革の基本方針素案をまとめた。2011年の通常国会で障害者基本法の抜本改正を目指す。障害者差別禁止法(仮称)の制定も検討していく。関係省庁と調整した後、6月中にも基本方針を閣議決定する予定だ。 」(「障害者差別禁止の新法制定検討 政府会議が基本方針素案」)とされている。

    ところで、「障害者の当事者」って誰。

    ルノワール—伝統と革新

    2010年5月25日、「ルノワール—伝統と革新」大阪展を鑑賞。国立国際美術館 NMAOにて。

    障害福祉サービスに係る立法措置について

    47NEWSが配信する共同ニュースによれば、「障害福祉サービスの利用を原則1割負担とした障害者自立支援法をめぐり、与野党は20日、サービス量に基づく「応益負担」から、所得に応じた「応能負担」に見直す改正案を今国会で成立させる方向で協議に入った。」(2010年5月20日付け「障害者支援法改正案成立へ 所得に応じた負担に」)とされている。

    そもそも、「サービス量に基づく『応益負担』」とは、「この法律は、障害者基本法 (昭和四十五年法律第八十四号)の基本的理念にのっとり、身体障害者福祉法 (昭和二十四年法律第二百八十三号)、知的障害者福祉法 (昭和三十五年法律第三十七号)、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 (昭和二十五年法律第百二十三号)、児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)その他障害者及び障害児の福祉に関する法律と相まって、障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。」(障害者自立支援法第一条)とする定めにもかかわらず、「必要な障害福祉サービス」の量に応じた負担が求められ、すなわち、障害者基本法の基本的理念に違背し、障害者に対し、個人の尊厳にふさわしい生活に必要な障害福祉サービスの量に応じた負担を求め、結果として、障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会から遠ざけられ、すなわち、国政において、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為にいたるものであったと言わざるを得ない。

    ところで、当該の記事によれば、「改正案は昨年3月に前政権下で政府が国会へ提出したものとほぼ同じ内容。政府案は昨年の衆院解散で廃案になったが、今年4月に自民、公明両党が議員立法で提出。今後、民主党が対案を提出し、与野党が修正協議。衆院厚生労働委員会の委員長提案として来週にも成立を図る方向。」とのこと。

    そもそも、日本国憲法によれば、すべて国民は、個人として尊重されるとされ、生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とするとされているところ(日本国憲法第十三条)、然るべき立法措置が期待される。

    投票環境に係る障害者問題について

    毎日jpは、「障害者支援に取り組む札幌市東区のNPO法人「ホップ障害者地域生活支援センター」(竹田保・代表理事)は17日、夏の参院選に向けて障害者や高齢者の投票環境の改善を求める要望書を原口一博総務相に提出した。」(2010年5月18日付け「参院選’10北海道:障害者支援団体「投票環境改善を」 /北海道」)とする記事を配信している。

    記事によれば、「要望書では▽車いす使用者や視覚障害者に対する投票所に行くための移動支援▽投票所のバリアフリー化▽演説会や政見放送の手話・文字通訳▽点訳した選挙公報の導入--などを求めている。」「自身も筋肉が次第に衰える筋ジストロフィーを患う竹田代表理事(49)は「投票に行きたくても、思うようにならない人がいる。投票しやすいよう制度整備を進めてほしい」と訴えている。」とされている。

    そもそも、日本国憲法によれば、「第十四条  すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」とされており、障害者基本法(昭和四十五年五月二十一日法律第八十四号)によれば、「第三条  すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。2  すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる。3  何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。 」と定められていると認められるところ、投票環境の現状は国政上の問題と言わざるを得ない。

    したがって、障害者基本法の定めるところにより、然るべき措置が講じられるべきであろう。すなわち、「第四条  国及び地方公共団体は、障害者の権利の擁護及び障害者に対する差別の防止を図りつつ障害者の自立及び社会参加を支援すること等により、障害者の福祉を増進する責務を有する。」および「第六条  国民は、社会連帯の理念に基づき、障害者の福祉の増進に協力するよう努めなければならない。2  国民は、社会連帯の理念に基づき、障害者の人権が尊重され、障害者が差別されることなく、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加することができる社会の実現に寄与するよう努めなければならない。 」とされる責務において、である。

    不法占拠された障害者用トイレ

    静岡新聞によれば、「鍵を掛けて外出、夜間は内鍵を掛けて就寝―。公園のトイレで寝泊まりしていたとして沼津署は14日までに、建造物侵入の疑いで新潟県生まれ、住所不定、無職の容疑者(42)を逮捕した。」(2010年5月15日付け「障害者用トイレホテル代わり 建造物侵入容疑で逮捕」)と報じられている。

    「逮捕容疑は13日午前11時10分ごろ、沼津市大手町の中央公園内にある身体障害者用個室トイレに理由無く侵入した疑い。容疑者は「悪いとは思っていたが、雨風をしのげるので都合が良かった」と容疑を認めているという。」とのこと。

    困ったものである。トイレで寝泊まりせざるを得なかった境遇は、気の毒のようにも思えるが、「理由なく侵入した」とされる疑いに及んでも仕方あるまい。

    「同署などによると、容疑者は5年ほど前から時折、約4平方メートルの同トイレで寝泊まりを始め、昨年末からはトイレ内に寝袋などを持ち込んで根城にし、週4~5日泊まり込んでいた。“家財道具”を盗まれないよう外出時には手製の道具で外から鍵を掛け、就寝時には中から鍵を掛けて他人が中に入れないようにするなど“不法占拠”を続けていたという。」とする内容によれば、その間、障害者は閉め出されていたと言わざるを得ず、すなわち、不法占拠にいたったと言うべきであろう。

    介護に疲れて、とする記事に思う

    NHKニュースが報じた「”介護疲れで母殺害”娘逮捕」とする記事によれば、「28日午前、東京・練馬区の団地に住む60歳の無職の女が「母親の介護に疲れて首を絞めて殺した」と言って警察署を訪れ、団地の部屋から81歳の母親の遺体が見つかりました。警視庁は女を殺人の疑いで逮捕して調べています。」とされている。

    思うに、介護は、人に試練を課しているかのようでもある。

    お花見

    "大阪城公園の桜"

    大阪城公園の桜


    昨日、大阪城公園に花見に行きました。顔が日焼けして真っ赤になってしまいました。

    和解の要件ー障害者自立支援法違憲訴訟に思う

    47NEWSによれば、共同通信は、「国と原告側が終結に合意した障害者自立支援法をめぐる違憲訴訟で、知的障害のある男性(53)=奈良市=が提訴した訴訟は29日、奈良地裁で和解が成立した。さいたま地裁に続き、全国で2例目で、西日本では初めて。」(「障害者訴訟で2例目和解、奈良 自立支援法めぐり」)と報じている。「この日開かれた口頭弁論では、原告側が訴訟の経緯などを説明。原告の男性が意見陳述した後、一谷好文裁判長が「基本合意文書のとおり合意したことを確認する」などとする和解条項を読み上げた。」とも。

    これによれば、国と原告側が、前提とされる問題について、合意したことが明らかである。

    しかしながら、問題の事実が不都合なものとされ、認められることにいたらなければ、合意にいたることもなく、当然、和解にいたることもなかったであろう。

    したがって、和解するつもりがあるならば、不都合な事実に向き合う覚悟が必要であることはいうまでもない。

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